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丸山林平「定本古事記」

- 中巻 -

【 孝安天皇 】

原 文
大倭帶日子國押人命、坐二犖城室之秋津嶋宮、治二天下一也。此天皇、婚二姪竄鹿比賣命一生御子、大吉備跳荵命。筱大倭根子日子賦斗邇命。【二柱。自レ賦下三字、以レ音。】故、大倭根子日子賦斗邇命隅、治二天下一也。天皇、御年壹佰貳拾參歳。御陵在二玉手岡上一也。
読み下し文
大倭帯日子押人命、犖城の室の秋津島の宮に坐しまして、天の下を治しめしたまふ。此の天皇、姪忍鹿此売命に婚ひて生みませる御子、大吉備諸進命。次に大倭根子日子賦斗邇命。【二柱。賦の下の三字、音を以ふ。】故、大倭根子日子賦斗邇命は、天の下を治しめしたまひき。この天皇、御年壱佰弐拾参歳。御陵は玉手の岡の上に在り。
丸山解説
〔犖城室之秋津嶋宮〕「あきづしま」の訓は非。理由は、雄略天皇の段で説く。奈良県南犖城郡室村。「あきつしま」は、すでにこのころから存し、大和の地名から、やがて日本の称となる。〔姪〕天押帯日子命の女なること明らかである。〔竄鹿比賣命〕紀には「押江」とある。「おし」は大し。大鹿の意か。〔大吉備跳荵命〕真淵の説のように「もろずみ」と読むべきか。上代語に多い「むろつみ」「むろつすみ」の訛であろう。
田中孝顕 注釈

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