以下の丸山林平「定本古事記」は、同氏の相続人より、SSI Corporationが著作権の譲渡を受けたものである。

古事記の中を検索する

丸山林平「定本古事記」

- 下巻 -

【 仁徳天皇 】

原 文
於レ是、天皇、登二高山、見二四方之國、詔之、於二國中一烟不レ發、國皆貧窮。故、自レ今至二三年、悉除二人民之課鑑。是以、大殿破壞悉雖二雨漏、綾勿二脩理、以レ柬受二其漏雨、螻三│袢于二不レ漏處。後見二國中、於レ國滿レ烟。故、爲二人民富、令レ科二課鑑。是以、百姓之榮不レ苦二鑑使。故、稱二其御世、謂二聖帝世一也。
読み下し文
ここに、天皇、高山に登りまして、四方の国を見たまひて、詔りたまひしく、「国中に烟発たず、国皆貧窮し。故、今より三年までは、悉に人民の課鑑を除せ。」と、のりたまひき。ここをもて、大殿破れ壊れて、悉に雨漏れども、都て脩理ひたまはず、柬を以ちて其の漏る雨を受け、漏らざる処に遷り避けましき。後に国中を見たまへば、国に烟満ちたりけり。故、人民富めりと為ほして、課鑑を科せしめたまひき。ここをもて、百姓栄えて、鑑便に苦しまざりき。故、其の御世を称へて、聖の帝の世と謂すなり。
丸山解説
〔高山〕たかやま。紀には「高台」とある。高楼の意。「四方の国を見給う」なら、高山の方が妥当。〔貧窮〕まどし。底本は「まづし」と訓じている。紀には「まどし」とあるから、そう訓ずることとする。「まづし」の古語である。〔課鑑〕みつぎえだち。租税と労役。〔大殿〕おほとの。「大」は美称。宮殿。真本は「大」を「太」に誤る。〔綾〕かつて。「すべて」の意。〔柬〕ひ。真本等は「斤」に、前本・猪熊本・寛本等は「哩」に、延本は「敘」に作る。記伝は「柬」を可とすると述べている。「柬」は「沱」であって、漏る雨を沱に受けて他に流すのである「敘」は説文に「篋也」とあり、「箱」。である。これも可。〔令レ科二課鑑一〕みつぎえだちをおほせしむ。
田中孝顕 注釈

Page Top▲

このページはフレーム構成になっています。
左側にメニューが表示されていない方は、下記URLをクリックしてください。
http://www.umoregi.com/koten/kojiki/