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丸山林平「定本古事記」

- 下巻 -

【 武烈天皇 】

原 文
小長谷若雀命、坐二長谷之列木宮、治二天下、捌艢也。此天皇、无二太子。故、爲二御子代、定二小長谷部一也。御陵在二片岡之石坏岡一也。天皇蝉紡、無下可レ知二日續一之王上故、品太天皇五世之孫袁本杼命、自二羝淡恭國一令二上坐一而、合二於手白髪命、唆二奉天下一也。
読み下し文
小長谷若雀命、長谷の列木の宮に坐しまして、天の下を治しめすこと、捌歳ましき。此の天皇、太子ましまさざりき。故、御子代として、小長谷部を定めたまふ。御陵は片岡の石坏の岡に在り。天皇既に崩りましたれど、日続を知しめすべき王なかりしかば、品太天皇の五世の孫袁本杼命を、近淡海国より上り坐さしめて、手白髪命に合はせまつりて、天の下を授け奉れり。
丸山解説
〔小長谷若雀命〕仁賢天皇の皇子。既出。真本は、この上に何もしるしてない。これ、今までの諸例が、後人のしわざであることを雄弁に物語るものである。〔長谷之列木宮〕はつせのなみきのみや。紀は「泊瀬列城宮」に作る。「列木」「列城」も地名であろう。「木」は借字で、小高い丘の並んでいる地の名か。宮址は奈良県桜井市初瀬町字出雲であろうという。真本は、この上の「坐」を「由」に誤り、「列」を「到」に誤っている。
田中孝顕 注釈

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